共謀罪と破防法

先のエントリーを書くきっかけに、オウムについて書かれた2つのブログの記事があったとしたが、そういえばと思い出したのが「破壊活動防止法」だ。
公安調査庁はオウム(現アレフ)に対しての破防法の適用を受ける団体としての調査対象団体指定処分を、まだ継続中ではなかったろうか? また破防法をオウムに適用するに当たっては、いろいろと批判が多かったことも記憶にある。
昨日の新聞報道でみると、与党は共謀罪法案を再修正したらしい。その内容はとうと、

(1)適用される「団体」(政府案)を「組織的な犯罪集団」に改め、「共同の目的が罪を実行することにある団体」と定義(2)処罰できるのは「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」に限る(3)適用には「労働組合その他の団体の正当な活動を制限することがあってはならない」と明文化

ということらしい。これを読んでいて思ったのだけれど、これなら何も新しい法案を作らずとも破防法の運用でもしくは改正で、十分対応できるのではないのか、と。
破防法第一条は

この法律は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し、もつて、公共の安全の確保に寄与することを目的とする。

となっている。この破防法の目的は与党が説明する共謀罪創設の必要性と合致しないか? ここのところは法律の専門家の意見を伺いたいところだが、素人目にはさほど変わりがないように思える。どうだろう?
もしそうなら、この破防法で十分だということになるのだが...。
破防法はさらに2条で

この法律は、国民の基本的人権に重大な関係を有するものであるから、公共の安全の確保のために必要な最小限度においてのみ適用すべきであつて、いやしくもこれを拡張して解釈するようなことがあつてはならない。

と濫用の危険性を戒め、そのために「団体」を指定するに当たっては厳格に手続きを定めている。現在の国際情勢等を鑑みる時、共謀罪のように人の内心にまで立ち入って先手を打つことでテロ等の被害を食い止めるという必要性を認めないわけではないが、ならばせめて、破防法に定めるようにその団体認定の手続きは厳格にかつ公開でなされるべきであろう。
破防法は確かに危険性の高い法律ではある。けれど共謀罪よりも遥かにマシだ。共謀罪法案を廃案にし、与党の主張する国際条約批准への国内法の整備は破防法をもって行う。どうであろうか。
なにせ法律には素人の考えである。基本的なところで誤解をしているかもしれない。誤り等があれば指摘していただきたい。