伐倒の手順

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今日は木の伐倒の手順を紹介したい。
まずは使用する道具から。
木を伐るのにチェーンソー。それからクサビ(黄色のもの)、 クサビを撃ち込むためのヨキ。
クサビを撃ち込むのは刃のついたヨキでなくハンマーでよいし、実際そうする人もいるが、たいていの人はヨキを使う。これは刃がついていると何かと便利だから。
 
 
 

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右は伐倒前。
持っているチェーンソーのバーの長さは
20インチ≒50cm。
それよりも10cmほど太い。
樹種はスギで同じ樹齢ならヒノキよりも太くなる。
樹齢70年で、この太さは太い方。
太い方が材積があるが、
その分年輪の目が粗いので、品質は落ちる。
 
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まず、根張りを巻く。
これはある程度太い木の場合。
木が太くなって重量が増えてくると、
木がその重さを支えようとして、
根が張り出してくる。
それを先に切断しておく。
 
 
 

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受け口を切り込む。
伐倒する方向を定めたら、
その方向にチェーンソーのバーが垂直になるように
木へ切り込む。
 
 
 
 
 
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1/4ほど切り込んだところで止め、
次に斜め上から切り込んで
写真のような形に切込みを入れる。
この受け口の方向で、
木の倒れる方向を制御する。
 
 
 
 

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次に受け口の反対側から切り込んでいく。
これを負い口という。
負い口は受け口の高さの
下から1/3程度のところを切る。
ある程度切り込んだらクサビを撃ち込む。
この後からは一連の動作になるので、
途中で手を止めて写真を撮るというわけにいかない。
少し切り込んではクサビを撃ち込み、
という具合に切り進める。
クサビを撃ち込むのはチェーンソーが挟まれるのを防ぐのと倒す方向へ木を起こしていくためである。
クサビを撃ち込む方向は受け口の線と直交するように。
受け口の切り込み線と追い口の切り込み線は平行を保つように注意する。
そうやって切り進め、切断面の太さの1/10程度を残して切るのは止める。
残った部分をツルという。
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ここまで作業を進めれば、
あとは自重で倒れる木もあるし、そうでないのもある。
この程度の太さの木になると少し木に傾きがあっても
なかなか倒れないし、また倒したい方向が
倒れている方向と違う場合もある。
そういうときにはさらにクサビを撃ち込む。
クサビを撃ち込むにつれ木は徐々に傾き、
ついには倒れる。
太い木になるとなかなかの迫力。
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ここでツルの役目について再度触れる。
ツルはいわば蝶番の役目を果たして
受け口とともに伐倒方向を制御すると同時に、
ツルが裂けていく抵抗力で
木が倒れていく速度を和らげる効果がある。
右の写真は上の木とは別のものだが、
ツルの様子が良くわかるので撮影した。
ささくれている部分がツル。
ここが倒れていく過程で裂けていくわけだ。
幅は木の直径の1/10程度と上では書いたが、ここではもっと広い。
木が傾いている方向へ倒す場合にはその程度だが、
傾きと逆側に倒す場合はクサビを深く撃ち込むので、ツルが狭いとクサビの応力に耐えられず、抜けていってしまう。
そのような場合はツルの幅を広く取る必要がある。どの程度とるかは経験と勘に頼るしかない。
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場所によっては切り株の角を面取りする。
これは、角に倒れてきた木が当たって
材を傷めないようにするため。
こうすることで木に加わる衝撃はかなり違う。