北制裁決議案〜素人の考え

珍しいことに、国連を舞台にした日本の外交が頑張っているそうである。

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北朝鮮制裁は拘束力のない議長声明ではダメだ、決議案でなければと
国連内でも驚きの声が上がっている今回の小泉政権の動き

目論見通り中ロが欠席か棄権で拒否権を使わず制裁決議案が
もし成立したら無頼国家はわが国にどう出てくるのか難題だ
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 髪の毛を振り乱し、狂ったように北朝鮮制裁を求める日本政府に世界中が驚いてい
る。
 ミサイルをブッ放された翌日には、国連安保理に制裁決議案を提示。その後、一部
の文言を削除したものの、さらに修正を加え、最終的には当初案より強い表現になっ
た。「日本は最後まで突っ張る。決議案を下ろすことはない」(麻生外相)と強気で
突き進む姿は、だれも想像できなかったらしい。
「国連本部では、何が何でも制裁という日本政府の強硬姿勢が話題をさらっています。
日本の代表団はこれまで、各国の顔色をうかがうばかりで優柔不断と思われてきまし
た。それが今回は、人が違ったような強硬姿勢。周囲が驚くのもムリはありません」
(外交事情通)
 決議案より軽い議長声明を主張する中ロ両国に対しても、「北朝鮮がどんどんミサ
イルを発射してもいいですよ、とは言えないでしょ」(小泉首相)、「間違っても北
朝鮮にシンパシーを持っていると疑われることはあってはならない」(安倍官房長官
と牽制。日本の対応を「大騒ぎ」と批判した韓国にも「ああいう声明を出すのは生産
的ではない」(谷内正太郎外務事務次官)と噛み付いた。怒りのボルテージは上がる
ばかりだ。
 当初予定されていた10日中の採決は延期されたものの、仮に決議案が否決された
場合も「有志連合みたいな形になる」(外務省首脳)と断言。“イラク仲間”の米英
などと一緒に制裁を実行する構えだから異常だ。

◆ 死刑宣告に等しい制裁決議 ◆

 日本が突き付けている制裁案は、中身も相当厳しいものだ。こうなると北朝鮮は黙
っちゃいない。宋日昊・日朝国交正常化担当大使は「日本が先頭に立って他国に電話
し、けしかけている」「制裁は言語道断」と日本政府を批判していた。北朝鮮にとっ
て、制裁決議の成立は死刑宣告に等しいからだ。コリアレポート編集長の辺真一氏が
言う。
「制裁決議案では、大量破壊兵器計画につながる物資、技術の移転禁止が盛り込まれ
ています。成立すれば、北朝鮮は国連加盟国との貿易が事実上できなくなる。専門の
制裁委員会が立ち上がり、北朝鮮に出入りする物資は完全にチェックされます。怪し
い船があれば、臨検されるから、事実上の海上封鎖です。似たような経済封鎖をされ
イラクは、石油の密売で食いつなぎましたが、北朝鮮はどこまで耐えられるか。リ
ビアも核開発をやると踏ん張ったが、最後は白旗を揚げています」
 ただでさえ、今の北朝鮮経済はアップアップだ。昨年9月以降、米国にマカオの銀
行口座を封鎖され、北朝鮮の会社が保有する米国内資産も凍結された。金融制裁でに
っちもさっちもいかなくなっているところに、今回のミサイル乱射で韓国からのコメ
50万トンと肥料10万トンの支援も止まってしまう。
 火遊びの代償で、また、何百万人が餓死するかどうかの瀬戸際に立たされているの
だ。国民はたまったもんじゃないだろう。

金正日は追いつめたら暴発する ◆

 しかし、このまま国連で「制裁決議」が採択されたら、大変なことになりかねない。
「窮鼠猫を噛む」じゃないが、追いつめられた金正日総書記が、どんな行動に出るか
分かったものじゃないからだ。

日刊ゲンダイ Dailymail Digest 2006年 7月12日号より)
日本の外交の今回の大活躍は、おそらくは「どこか」にお膳立てされてものだろう。これまでの活躍ぶりからすると、今回の「大活躍」はちと解せない。憶測だが。
憶測をさらに続けると、「どこか」の真意は、北を暴発させることにあるのかもしれない。中国はそれを懸念している。北が暴発すると直接的に被害が及ぶからだ。それは韓国も同じ。そして日本も同じはずなのだ。
北のミサイルはアメリカにまで届かない。テポ丼2は届くかもしれんが、確率は低いし、発射準備に時間はかかるし、アメリカとしては対処のしようがあるのだろう。けれど日本を目標にしているスカッドやノドンは、その数からしても対処のしようがないのでは? 北が暴発して日本にミサイルが飛んできても、アメリカは痛くも痒くもない(経済的なこと、特に金融関係の市場のことはわからない)。それどころか、米軍が行動する大義名分が出来るではないか。そして日本がさらに右傾化する。「先制攻撃」なんて言葉が大臣の口から飛び出した。アメリカの思うツボ? 
そして日本にノドンが飛んできても、おそらくはおエライさん方にとっても、痛くも痒くもない。日本の資産を二束三文で売り払って平気でいられる方々。国民の生命だってどうってことないでしょ。ノドンが発射されたら、自分たちだけ国会周辺にあるシェルターへ駆け込むんじゃないの?
さらに珍しいことに、あの外交上手の中国が今回は日本によって苦境に立たされているみたいだから、驚く。拒否権を行使したいところだろうが、ロシアが棄権して一国のみの拒否だと「北朝鮮より」の印象を免れない。中国に残された道は北朝鮮を説得して6カ国協議を進展させることだが、上手くいくかどうか? 今6カ国協議を開いても、北朝鮮には得るところはなさそうだから難しそう。
そして、一番重要なポイントはアメリカにとってはどう転んでも損はなさそう、ということ。うまくすれば、制裁決議案を取引材料に例えば中国元の切り上げとか、そういう利を中国から引き出せるかもしれない。どうせ日本はアメリカのいいなりだから、ね。
けれど、ちょっと待てよ。アメリカは日本の核武装なんか、望んでいないはず。靖国参拝にしたって同じ。今回の一連のテポ丼騒動はあべしにフォローウィンドだけど、外交が米のお膳立てだとすると、核武装論者あべしを次期首相として容認したのか? 
素人の思考はまとまることがないな。