まとまらない話とまとまる話

私の住む小さな町の、ささやかな「九条の会」の会合が始まった。
九条の会」だから、話の中心はやはり憲法9条のこと。ところが、これがまとまらない。数人の集まりだけれど、こんな会に進んで参加しようという人だから、自らの意見は持っている。早々と“9条をどう解釈するか”についての意見集約は無理、という結論になった。
まとまったのは「戦争反対」「与党の新憲法草案には反対」。ここでは皆の意見は一致した。なら“9条をどう解釈するか”の議論はとりあえず棚上げにして、「現時点での憲法改正反対」ということで、前に進もう。改憲派の人でも、戦争に巻き込まれるのはイヤなはず。けれどこのままでは、わけのわからないうちに日本がアメリカと一緒になって戦争をする国になってしまう。このように意見はまとまった。
 
私は思うに、大切なのは「国家としての理念」なんてご大層なものよりも、庶民が平穏に暮らしていけるということ。理念なんて難しい話はエライ人にまかせて、私たちは自分たちの生活の視点から見ていけばいい。背伸びをして評論家の真似事をして憲法論議なんかしてみたって、どうせエライ人に敵うわけもない。私たちができる選択は、イエスかノーかのそれだけ。それだけだけど、なんとなくのイエス、ノーの選択をするのはよくない。私たちは私たちなりに少しは考えて自分たちの暮らしを守るために、イエス、ノーの選択をしたい。