ブナを手に入れる

仕事柄よく木を持ち帰ってくるのだが、今回のはかなりの大物。
代替文
木の真ん中が空洞になっている。ブナの木である。
もとより、こんなのは材としての商品価値はない。というより、ブナという木そのものに材木としての価値が少ない。最近は家具材などに使われたりするということも聞くが...。
ブナは漢字で木ヘンに無と書く。木では無いという意味だ。ブナの材は腐りやすい上に乾燥しにくく、そのうえ乾燥させると反り・狂いが出てくる。ブナに限らず木材は乾燥させると狂うのだが、ブナはそれが大きい。だから材料としては使いづらいのである。
森林環境の保全に関心が高まっている現在では、ブナの木は人気が高い。材木としては含水率が高く使いづらいということは、それは樹木としてはそれだけ水を蓄え、保水力が高いということでもある。大木になるし、新緑や紅葉も美しいし。
一応、念のために書いておくが、このブナは枯れていたものを伐った。
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さて、最初に大物だと書いたが、どの程度の大きさだったか。軽トラに積んだところが右の写真。空洞とはいえ、重量もかなりのものだった。軽トラの積載重量は350kgだが、それをはるかに超過していたと思う。この木を積んだ材木搬出土場から自宅まで距離にして50キロ、かなり冷や汗ものの道のりだった。道のりの大半は国道だが、曲がりくねった山道で傾斜はあるし。ちょっとスピードオーバーするとカーブを曲がりきれずに横転しそうだった。それにもしパトカーに出くわしたりすると...。ヤバかったかもしれない。
 
山仕事の先輩たちは、「こんなもの持って帰ってどうする?」といって笑っていた。実際、持って帰ってきたはいいものの、どう使ったものか、迷っている。
野外に置くとすぐに腐ってしまうし、かといって家の中に入れられるような大きさではない。屋根を付けてペンキを縫って、犬小屋にでもするか。もったいないような気もするが...。