ケガ

またもやマヌケなことに、ケガをしてしまった。
今度はチェーンソーで足を斬った。左足の膝。チェーンソーでケガをするのは、ここが多い。
これでも左の膝は、ほんの皮一枚程度だが斬ってしまったことが何度かあったし、
他の人が怪我をするのもたいてい、ここ。
ここは危ないのだ。
 
今日の仕事は集材土場での造材。集材されてくる木の枝を払い、幹は太さや曲がりを見て規格の長さに玉切る。
で、いつやってしまったかというと、枝を払っているとき。
私が枝を払っている横で別の人が玉切っていたのだが、切り終えた瞬間にゴロリと木が転がってきて、
枝を払っていたチェーンソーが膝に接触してしまったのだ。
あっと思った瞬間にはもう遅かった。作業服は引き裂かれ、血が滲んでいた。やっちまった。
 
今回のケガもチェーンソーでの傷としてはたいしたことなかった。皮一枚+α程度で済んだ。
たいした傷ではないと思ったし、時間が作業終了までさほど時間もなかったこともあって、
私としては応急手当を済ませたらそのまま作業を続行するつもりだったのだが、
責任者の判断で、作業は中止。
医者に診てもらえということで、ひとり先に山を下ることになってしまった。
 
こういうのってマズイ。
この仕事にケガはつきもので、この程度の傷はこの世界の人間誰もが経験する。
だが、時期がまずい。
私はまだ今の会社に移ってきてから間もないので、いわば研修期間中。
その段階でケガをしてしまうと、その印象が強く残ってしまう。
この世界、ケガをするしないもウデのうち、という意識が皆の中に強くある。
ケガをするヤツってのは、注意力が散漫なヤツだとみなされてしまうわけだ。
実際、自分の不注意で他人をケガさせるってこともおおいにあるわけだから、
不注意な人間は周りから信用してもらえない。これは当然。
 
さて、ひとり先に山を降りて医者に行くということになったわけだが、今日は日曜。普通の医者は休みだ。
それで消防に電話して、開いている医者を教えてもらった。
いつも行く田舎の診療所はやはり開いてなく、町まで行かなくてならない。
教えてもらった医者にとりあえず電話を入れたのが3時半。開いているのは夕方5時まで。
車を走らせていくのだが、距離にして約100キロ。時間にすれば2時間。
5時にはとうてい間に合いそうになかったので、事情を説明し、到着するまで待ってもらうことに。
それから100キロの道程を走ったわけだが、日曜ということもあり、曲がりくねった山道をノロノロ走る車の多いこと。
かなり強引な運転をしました。
 
5時少し回ったくらいで医者に到着。キズを診てもらったが、縫うことはできないという。
それはそうだろう。刃物でスパッと斬ったキズなら縫えようが、
チェーンソーは削ぎとってしまうので、どうしてもそうなりがち。
幸いキズの幅は広かったものの、浅いもので済んでいたので、消毒をしてもらい、化膿止めの薬をもらって処置終了。
 
家に帰ると会社から電話があって、明日は作業は休みなさい、とのお達し。
たいしたケガじゃないので、すぐに仕事OKですとは言ったものの、
まあ、大事をとって、明日は一日休めよ、と。
あ〜あ、やっぱりそうなってしまった。