レイオフ

田舎の社会にはレイオフが横行している。
レイオフとは、「経営状態の悪化にともなう雇用調整を行う際、一時的に従業員を解雇すること。」
つまり、一時的にクビに成るのである。
特に4月から夏ごろまで、一時的に仕事がないという人が多い。
これはお役所の予算の都合で、その時期、特に土木関連の仕事がないという事情による。
森林組合でも、そういうことはあるらしい。私が緑の雇用で勤めていたときにはなかったが。
 
それにしてもレイオフなんて、アメリカのニュースではよく耳にする言葉だが、
日本でもこれほど日常的に行われている地域があるとは知らなかった。
もっとも、こちらではレイオフとは言わない。「いついつまでクビ」だって。
 
で、一時的にクビになった人たちはどうしているかというと、失業保険をもらったりしている。
つまり雇用契約は切れてしまっているわけだ。
だからこれが本当の意味でのレイオフかどうかは、疑問だ。
それよりもなによりも、このようなことが法的には許されているのだろうか。
このような場合、雇用者は雇用契約は打ち切らずに休業手当を支給しなければならなかったはずなのだが。
 
田舎では、少なくとも私の周りでは、このような雇用環境に異を唱える人はいない。
田舎では昔からこんなもんだ、と。
これでは親方丸儲けではないか、とある地元の人に話をしたことがあるのだが、
まあ、これでもなんとかやっていけるから、という返事。
昔からの家も田畑もあるし、食べる分にはなんとかなる、と。
けれど、子育てで金の要る時期は困るわなぁ、だと。
 
このあたりは余所者の私などには理解しがたい感覚ではある。
我々には昔からの家も畑もないから困る、という事情もあるのだが、それ以前の問題だと感じる。
これでは田舎の社会が活性化なんぞするわけがないな、とも思う。
だが。
考え方を変えれば、現金収入が少なくともなんとかなる、というのは素晴らしいことなのかもしれないのだ。
 
自分の家も田畑もないものは、それを手に入れるのに金が必要なのだが。