木登りの方法

gushoukuuron2005-05-06

出材の仕事で架線を張る場合にも、当然木へ登る必要が出てくる。
架線は高い場所に架設する必要があり、
そのためには木の高いところで支点を取らなければならないからだ。
 
架線作業の場合の木登りは同じ場所を何度も登らなければならないので、
かるこ登りは使わない。
写真のように、木の幹に枝をくくり付けて梯子のようにするわけだ。
このとき枝をくくるのには、ロープを使ったり解きワイヤーを使ったりする。
 
ワイヤーロープというのは何本かのストランドを芯線に撚り合わせたもので、
そのストランドは何本もの素線を撚り合わせてできている。
解きワイヤというのはストランドのこと。
 
枝をくくるのにはロープのほうが扱いやすくてよいのだが、実際の現場では解きワイヤを使うことが多い。
理由は、ワイヤは絶えず現場にあるから、だろう。
ワイヤは原木を搬出するための架線に使うのが主な用途だが、
使い古して大きな荷重を掛けることができなくなったワイヤも、他のいろいろな用途に使い回す。
そのようとのひとつが、これ。
出材の現場では、何をするにも木とワイヤでやってしまう。
他の材料――例えば、鋼管と金具――を使ったほうが手早いのに、と思うことも多いが、
ここらはその場にあるものを工夫して使う、という山仕事の流儀であろう。