緑の雇用

 
私は木村良樹和歌山県知事が提唱した「緑の雇用」事業で、現在すむ山村に移り住んできた。
緑の雇用」は
・荒廃の進む森林の「環境保全
中山間地域の「雇用創出」
・過疎地域の「活性化」
の一石三鳥を狙う施策だということで、理念は立派なんだけど。
 
しかし、行政の施策なんて、お題目は立派でも中身の方はサッパリのが多いが、
この「緑の雇用」もサッパリとまではいかなくても、問題は多い。
 
我々は「緑の雇用」が始まった平成14年にこちらに移転してきたのだが、
今、最大の問題は「緑の雇用」がいつまで続くか、
つまり行政がいつまで面倒を見てくれるか、ということである。
 
毎年新しい人間が入ってはくるのだが、前からいる人間はどうなるのか、ということだ。
この「緑の雇用」での移転してきた人間の受入先は地元の森林組合なのだが、
おそらく、この3月末には解雇を言い渡される人もいるだろう。
 
補助金の切れ目が縁の切れ目というわけだ。
 
一石三鳥の施策だなんていっても、過疎問題の根本を解決しようとするのではなく、
要するにカンフル注射なわけだから、それが切れてしまったら、
他所から来た人間は過疎とならざるを得ない田舎の現実に直面しなければならないのだ。
 
なんだか中途半端な施策になってしまいそうな感のある「緑の雇用」だが、
ひとつ良いところを評価するなら、とにもかくにも、田舎への門戸を開いてくれたこと。
田舎はどうしても閉鎖的なところだから、空家ひとつ探すにしても簡単にはいかない。
緑の雇用」はその点と当座の仕事は行政でクリアしてくれたので、まずは田舎暮らしを始めることはできた。
 
あとは自分の努力で「自立」しろってことか。