冷静にお願いしたい

ドイツで開催中のサッカー、ワールドカップ。日本時間の今朝4:00にキックオフ、結果は...、“予想外”にも1−4の得点差で、日本完敗。
というわけでワールドカップ1次リーグF組は、日本の最下位が確定。実力から云えばこの結果は順当なところではないだろうか。
 
「実力から云えばこの結果は順当なところ」であるにもかかわらず、“予想外”と太字で書いた理由。マスメディアの報道を眺めていると、奇跡が起こることを期待する論調があまりにも多く、もう期待ではなく予想になってしまっているのではないかと、そんなふうに思っていたからである。
もちろん、これは私の勝手は解釈ではある。多くの者がサッカー王国ブラジルに勝てるとは考えていなかったと思う。けれどこの「多くの者」とはサッカーについて多少なりとも知識のある者のことで、サッカーに関心も知識もない者にとっては「奇跡は予想される」ことになってはいなかったか。メディアの報道のあり方は奇跡の可能性を、それこそ針小棒大に、書き立てるものだった。いや、私は全てのメディアを公平にチェックしたわけではないから、これ漠然とした印象でしかない。漠然とした印象でしかなけれども、でも書いてもいいでしょう? 違うなら違うと、誰か指摘してください。
 
さてと、これもまた漠然として印象を書くわけだが、こういったメディアの報道のあり方から連想したのは、戦前、日本には天佑神助がある、神風が吹くとやった、あの姿。似てないかな?
まあ、サッカーは尊い人命が失われる戦争ではわけだし「奇跡への期待」を書きたてたとて、そう罪はないんじゃないかと思わなくはないけれど...。でも敗戦の後に一億総懺悔となったのと同様な雰囲気になったとしたら、気持ち悪い。メディアが煽った後のこの敗戦、せっかく盛り上がったサッカー熱を冷ましてしまうことになりはしないか。こうなると総懺悔と同じ、かな?
 
今からでは遅いかもしれないけど、もっと冷静な分析を望みたい。煽る番組、メディアがあったっていいと思う。例えばバラエティー番組などでやるのは、まあ許せる。けど、報道番組でやるのは、ちょっと違うんではないの? やっぱこの国は空気が支配する国だ、と思わざるを得なくなる。
 
試合終了後、ピッチの芝生から長らく立ち上がることができなかった中田英寿の姿が印象的であった。あのクールな中田の涙が次への期待に繋がるものになってくれれば、と思った。そのためにも、必要なのは「冷静な報道」ではないでしょうか。「心は熱く、頭はクールに」。頭まで熱く逆上せてしまうと、逆に心は冷めてしまうような気がする。人ってそんなもんでしょう。
 
 

「心は熱く、頭はクールに」と書いて、これまたふと連想したのが、例の「祝電キャンペーン」「それってパッシングじゃないの」という記事でもり上がりつつあったキャンペーンに水を挿したのだけど、それを「心」でなく「頭」で受け止めてくれた方が多かったことに感謝してます。
この問題、頭が冷めるほどに心は熱くなってきます。私はそう感じる。ということは、これは看過できない問題だ、とわたし的にはそういう結論になります。
そんなわけで