集材機

gushoukuuron2005-06-04

これもまた、古い機械である。
この写真の機械は昭和50年代の製造だから、
もう四半世紀は活躍していることになる。
途中でメンテナンス・修理はするものの、
長持ちするものだと感心する。
発動機はディーゼル・エンジンで丈夫だし、
構造も比較的簡単なものだからだろうけど。
 
集材機とはいうが、ウインチといったほうが理解が早かろう。
この機械は3胴式といって、巻き取り式のドラムが2つ、エンドレスドラムが1つの計3つのドラムが付いている。
3本のワイヤを操って、材木を集材してくるのである。
このときの索張りは、エンドレス・タイラー方式というのが一般的。
 
ところで、この集材機についてのばかばかしい話を。
上で集材機とウインチは同じものと書いたが、実は別のものである。
いや、正確に記すと、別のものと規定されている。
何がそう規定しているかというと、行政がそう規定しているのだ。
集材機を運転するには、ちょっとした講習を受ける必要があるのだが、
この講習を受けて運転する資格を得られるのは、あくまで林業で使用する集材機、なのである。
で、集材機とはどう規定されているかというと、原木・薪炭材などを運搬するもの、ということで、
同じ機械を使って、例えば石を運んだとすると、これは集材機ではなくウインチになるから、
集材機運転の資格では運転できない、ということなのだ。
 
極めつけは、造材したした原木は、規定通りだと運搬不可ということ。
造材とは、切り出してきた原木の枝を払い、決められた長さに小切ることをさすのだが、
こうして造材された原木はもうすでに原木ではなく、原木市場に出す製品である、という理屈。いや、屁理屈。
 
もっとも、集材架線で造材した原木を運搬して摘発されたなんて話は聞いたことはないし、
この屁理屈を説明した講師も、ま、一応規定なので、というようなニュアンスではあったし、
目くじらを立てるほどの話ではないと言えば、それまでではあるのだが。
こんなことになるのも、農水省国交省の縄張り争い、お役所のセクト主義の結果であろう。