男子誕生、おめでとうございます

ネットが繋がらないわずかな間にも、世の中日々刻々と変わって行ってしまいました。子猫殺しの話題、あっちこっちで人殺しの話題、役所の裏金、あべしがとうとう立候補を表明、etc。
そして昨日は、秋篠宮妃紀子妃殿下が男子を出産。今日も朝からTVはこの話題でばっかり。
 
それにしても、生まれたのが男の子で、ヨカッタ。本当にヨカッタ。
いえ、何も私はこれで男系天皇の系譜が維持されるからよかった、と思っているわけではありません。生まれてくるのは、男でも女でも、それはカミサマが決めることですからどちらでもいいわけなんですが、バカな人間どもは自分の都合でいろいろと言いますからね。男の子なら、そんなバカな批判もまず出ないでしょうから。ヨカッタ。
 
TVで聞いた論調の中で、私が気になったのは海外メディアの報道の仕方を紹介していたところ。多くの海外メディアでも大きなニュースとして報道されたということらしいのですが、その批評の中に「なぜ日本はいまだ男系に拘るのか?」という疑問があって、これにはあちらの王室が王位継承については長子相続が「伝統」であるのに対して、日本は男系が「伝統」という答えが簡単に返ってきそうですけれども、それにしてもその「伝統」がなぜいまだに維持されているのか? そこには理由があるがあるはずなんですが。
保守系の人々の唱える「125代もの長きにわたって続いてきた伝統であるから、存続させるべき」という主張は、理由もヘッタクレもなくて、最初からファイナルアンサーですからね。
日本も王室がいまだ存続するヨーロッパの国々と同じく、男女同権の民主主義国家ということに(一応)なってます。天皇家が日本の象徴であり、またTVのコメンテーターの一部が言っていましたが、日本のファミリーの象徴でもあるというなら、男系のみが天皇家を存続するという「伝統」はいまや民主主義的な規範とはマッチしなくなっていると考えるほうが素直でしょう。男系天皇を主張する人たちがみな亭主関白かといえば、必ずしももそうではないでしょうから。
 
男系天皇を維持しようとする主張は、男尊女卑の考えの表れだとする人も多いようです。だから男女平等を旨とする民主主義に反しているというわけですが、一方で、日本人は本当は、女系社会であるという議論もあるわけです。特に家庭の中では女性の方が力が強く、実権を握っている。
よく引き合いに出されるのが家計をどちらが握るかということで、欧米などでは稼ぎ手が男であるなら家計の主導権は夫が持っているのが当然なのに、日本では当然のごとく、妻が握ります。グローバリズムに乗っかっている「勝ち組」の人々はどうか知りませんが、「負け組」の私なども、当然家計は妻に握られているわけです。汗水たらして働いてくるのは男である私であるにもかかわらず。ですから「女の強さ」を日々実感しているわけです。
 
ところで、私の妻の実家はといいますと、これは珍しいことに夫の方、つまり妻の父親が家計の主導権を握っていたということらしい。毎月母に決まった額の生計費を渡していたということらしいのですが、不思議なのは、そういう家庭に育ったはずの妻が現在、何の疑問もなく、私から収入のすべてをとりあげてしまって恥じるところがない。家計の主導権を男が握る家庭で育ったのならその影響を受けていてもおかしくはないはずなんですが。これこそ日本人の「伝統」なのでしょう。
 
ですから日本では、「表」では男尊女卑といいながら、「裏」に入れば反対なのでしょう。そして、この「裏」こそが「自然」であるのだと思います。
欧米では「レディ・ファースト」という習慣がありますが、これもこの伝で考えてみると、「裏」では男の方が強いのでしょう。だから逆に「表」では女性を尊重する。そういうフリをする。
 
話を男系天皇の方へ戻しますと、その存続が主張される理由は、日本では「裏」では女の方が強いという「自然」な状態があるからではないかと思うのです。人間は自然を制御するために「制度」を設けます。そして天皇家も日本の「制度」のひとつです。天皇家という「表」の「制度」が男系でなければならないのは、「裏」の「自然」が本当は女性優位であるからでは? だから男系天皇の存続を主張する男性たちは「裏」では(家庭では)、きっとカミさんの尻に敷かれてるんだ、そう言って、妻とふたり笑ったのでした。
 
そうそう、噂によると、現官房長官はマザコンだそうな。やっぱり女性に組み敷かれている男の主張は...。