シイタケ

このところのお湿りと暖かさのおかげで、我が家の裏庭のホダ木からシイタケがでてきた。

代替文

こいつら、実は数日前から顔を覗かせてはいたのだけど、なかなか大きくならず、大きくなって収穫できるのを待っていたのだ。その甲斐あって、ちょうど食べごろの大きさに育ってくれた。

取れたのシイタケの美味さは、また格別だ。今晩の食卓に並ぶのか、明日の弁当のおかずになるのか。楽しみなことである。
 
私は、子供の頃はシイタケが嫌いだった。
元来好き嫌いはない方だが、子供の頃はシイタケとコンニャクが嫌いだった。
今から考えるとなぜだろうと思う。特にシイタケは。コンニャクは今でも、スーパーなどで売られている石灰臭いのは好まない。子供の頃、この臭いと歯ざわりが嫌いだったのだと、今でも再確認できるのだが、シイタケはなぜ嫌いだったか、その理由が思い出せない。今ではそのくらい好物である。

シイタケが好物になったきっかけは良く覚えている。取れたてのシイタケを食べたからだった。それも天然に自生しているものを。そのとき初めて、シイタケってこんなに美味かったんだ、と思ったものだった。
 
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今日はシイタケを収穫しただけでなく、新たに原木に菌を植えてホダ木を作った。
用意するものは、まず、原木。樹種は、コナラ。こちらではホウソウと呼んだりするが、これは晩秋、葉を落とした頃に伐採したものが良い。太さは直径10センチ程度のものが、ちょうどよい。
次にシイタケの菌。木製のコマに菌を植え込んであるもの。これを原木に穴を開けて植え込む。ホームセンターなどで販売されていて、250個入りで800円程度。
そして、原木に穴を開けるドリル。ドリルの直径は、8.5ミリのものを使用するようにと、シイタケ菌のパッケージには記載してあるが、8ミリのものを使用。8.5ミリのドリルは、専用の“シイタケ・ピット”なるものが販売されているが、0.5ミリ程度の誤差など、全く問題なし。
あと、ドリルで開けた穴にコマを打ち込むための、ハンマー。
 
このようにして作られたホダ木もホームセンターなどで販売されてはいる。50cmほどの長さのものが1,000円くらいの価格設定がされていたりして、我々からすればバカ高い値段である。また、原木そのものも同程度のサイズが500円くらいだったりする。まあ、一般の人は原木を簡単に手に入れられる環境にはないだろうが。
 
植菌は冬の寒い時期、つまり今頃行うのがよい。植菌を終えたホダ木は、仮伏せといって、ある程度湿気のある林の中などに3ヶ月ほど積み上げた状態で放置し、そののち本伏せとなる。つまり、シイタケを収穫しやすいように並べるわけだ。本伏せのときも直射日光の当たらない、木陰などが好ましい。
こうして本伏せされたホダ木からは、上手くすれば秋ごろからシイタケが収穫できる。
 
そう、キノコの季節は秋、シイタケも秋に生えてくることが多い。ところが我が家のキノコは、なぜか、この時期なのだ。ホダ木を設置してある場所の条件から、そのようなことになるのだろう。
 
ところで、“シイタケ”と言う限りは、シイタケはシイの木から生えてくるものではないのか、お思いの方もおられよう。もちろん、シイの木からも生える。天然のシイタケの場合、やはりシイの木枯れ木から出ているケースが多いか。
だが、このように植菌してホダ木を作る場合、シイでもよいのだが、シイの木は持ちが悪いのだ。シイの木だと2〜3年でボロボロになってしまってシイタケが生えなくなってしまうが、コナラだともっと長持ちする。我が家のホダ木はこれで3年目だが、まだまだ持ちそう。
 
聞いた話では、コナラよりももっと硬いカシなんかでも植菌すればシイタケは生えるそうな。カシから出てくるシイタケは肉厚で、さらに美味いという。ただし、生えてこない可能性が高いし、生えてくるにしても時間がかかるらしい。ホダ木の持ちはコナラよりも更によい、とか。

今回のホダ木つくりでは、一応、カシにも植菌をしてみた。さて、もっと美味いシイタケが食えるかどうか。楽しみである。